また会おうね。・゚・゚・。

虹の橋を渡った保護猫の思い出

ナナちゃんとの出会い

ナナちゃんは、フワフワで “ぬいぐるみ”みたいな女の子。
2016年2月末、目黒でのTNR時に衝撃の遭遇をしました。
直径20cmぐらいの毛玉をズルズルと引きずって歩いていたのです。
捕獲後、病院にてバリカンで刈り取って貰ったのが、画像のもの!

毛を強く引っ張られることもあったのですが、ナナちゃん診察中は、終始大人しくされるがママ。
耳カットなしでも人懐こいため、先生が腹部を確認したところ、避妊手術済でした。
おそらくは遺棄猫、エイズキャリア+慢性鼻炎+歯が1本もない状態と、どんなに大変な辛い思いをして生き抜いてきたのかと胸が苦しくなりました。

ナナちゃんのお家探し

毛玉をズルズルと引きずった壮絶な姿で保護されたナナちゃん。
シェルターではケージ暮し、常に私を目で追っている、近づくとベッドから出て前にチョコンと座る、健気な子でした。

毛玉の理由も判明。
抜け毛が絡み合った状態で落ちます。
ブラッシングはスリッカーブラシでは上滑りしてしまう。
捨てられる前は、定期的にトリミングされていたのかもしれません。

ナナちゃんの里親様探しは難航しました。
地団駄踏むような気持ちでしたね。
「こんなに可愛い、とっても良い子なのに!」
やがて募集期間締切間直に運命の出会いが訪れます(*´∇`)ノ

ナナちゃんシンデレラ

捨てられ灰かぶり状態だったナナちゃん。
里親様募集を打ち切り、里親会へと考えていた矢先に福音なる申し込みがありました。
「経験があるからこそ、命を預かる責任は大変なプレッシャーで、何度も何度も応募に迷いました」とありました。
今までに4匹の愛猫ちゃんと暮らし、最期を看取られたそう。 

ナナちゃんは推定10歳、「残りの時間を過ごす終の棲家を探しています」と記載しておりました。
もう辛い死に目には会いたくないと逡巡される気持が痛いほど伝わり、同時にナナちゃんを託せるのは、この方しかいない!と強く感じました。

ナナちゃんをお届けに伺うと、想像通りの猫への愛情に溢れた素敵なご夫婦、私どもの活動へもご理解が深くエールを頂きました。
いつも里子へ出した後は、安堵だけではない心配やら寂しさやら入り交じり、複雑な気持ちになるのですが、ナナちゃんの時は何とも晴れがましい気分! 
過酷な境遇を乗り越えたナナちゃんへ両手を挙げてバンザイしたいほど嬉しかった!

画像は、新しいお父さんの足にピッタリくっつき虫のナナちゃん。
ナナちゃんは、シンデレラのように幸せなりました、めでたしめでたし。・゚・(ノ∀`)・゚・。
しかし「ナナちゃんシンデレラ」には悲しい後日譚があるのです。

またね、ナナちゃん

ハッピーエンドで、蝶よ花よのお姫さまになったナナちゃん...でしたが、突然の暗転。

オバケ毛玉を刈り取って下さった病院へ、ナナちゃんも通っていました。
その獣医師から9月末に連絡があり「ナナちゃん、腎臓が悪いため通院しているが、車で来ると吐いてしまう。歩いて行ける距離の動物病院を紹介しては?」と。
ナナちゃんお母さんへボランティアが利用するご近所の病院をお薦めしました。
譲渡時の血液検査では異常はなく、何よりナナちゃんは幸せになって然るべきのシンデレラですもの。
療養食を見繕い送り、そのうちにお見舞いへなどと考えていました。

新しい病院での診断結果、食欲不振&体調不良の原因は「悪性リンパ腫」の疑いがあるとのこと。パニックになる暇もありませんでした。
その報告を受けてから、僅か12日後にナナちゃんは亡くなってしまったのです。
前夜ナナちゃんは、お父さんとお母さんをしばらく見つめていたそう。
きっと「ありがとう」を伝えたのだと思います。
翌日お気に入りのベッドで、いつもの寝姿で、息を引き取りました。

●2月27日/保護
●5月21日/正式譲渡
●10月27日/永眠

5ヶ月間の幸福でした。
もう別れを経験したくないと葛藤の末、里親様へ挙手して頂いたナナちゃんお母さんに、ただただ申し訳ない気持ちの私。
ナナちゃんお母さんは「お譲り頂いたのに、こんな事になり申し訳ありません」と。
お互いに、泣きながら謝るばかりでした。
さすがにこの時ばかりは、神様を恨みました。
画像は天使になる2週前の子猫のようなナナちゃん。
やがてナナちゃんが、遺してくれた大切なものに気がつきます。

ナナちゃんが教えてくれたこと

ナナちゃんは捨てられるまで、すごく可愛がられていたと思うのです。
ご飯の催促をしません、猫じゃらしで上手に遊びます。
そして毎日ブラッシングしないと毛玉が出来てしまう毛質。
お外へ独り放たれて、怖いし寒いしお腹は減るし...でも、ずっと我慢をして待っていたのだと思います。
飼い主が迎えに来てくれ、お家に戻れることを、焦がれていたのでしょう。

新しいお父さん&お母さんに愛され「願いが叶った!」と万感胸に迫ったのかもしれません。
人や環境は変わっていても、優しく呼びかけられたり大切に撫でられる感じで、愛情を思い出し満足をして、亡くなったのだと思います。
人間に対して一途な子でした。 

ナナちゃんを知る前は「子供が猫アレルギーになった」「急な転勤で連れていけない」と里親様募集される猫たちに対して、遺棄や保健所へ持ち込むより賢明な選択だと良縁を願っておりました。
今は、共に過ごしてきた家族と別れなければならない猫の憂苦を想い「なんとかならないのかしら」と胸を締めつけられます。

ナナちゃんが教えてくれました...一緒に暮らす家族は猫にとって、かけがいのない大切な存在で、離れなければならないのは辛く悲しい不幸なことなのだと。

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